2016年7月18日月曜日

2016年04月03日号 小田原2Dプロジェクト

小田原2Dプロジェクト

■ 小田原城3Dプロジェクト

小田原市では、昨今のインターネットの進展などを踏まえ、「グーグルアース」や「グーグルマップ」に代表される無償や安価で高機能な既存Webサービスを活用して、本市の施設や施策などを市民へ分かりやすく情報提供する手法を調査研究していく中で、「3次元コンピュータグラフィックスによる江戸時代の小田原」を作成されました。
どんなプロジェクトかというと、Google Earth上に小田原市の文久年間(西暦1861年~1864年)の古地図(文久図)を重ね、そこに小田原城の他、ブラタモリでも取り上げられた小田原城総構(惣構とも書く)を3Dグラフィックでオーバーレイするという物です。
ちょっと残念なのは、ベースになる古地図を画像として貼付けているため、現代に作成したお城や総構の土塁の3Dデータ以外の、当時の町割りや道路が、現在の地図と完全には一致しないというか、微妙なズレがあります。まあ150年程前の江戸時代の地図を使っているので仕方ないですね。

■ 小田原市 歴史的地名保存事業

小田原市も、昭和37年に施行された「住居表示に関する法律」に従い、江戸時代から続いて来た町名が公式な住所表示から消えてしまいました。これって一見整理されていて便利そうですが、「栄町一丁目」って言われても、栄町が広すぎて、どの辺りが一丁目なんだかよく分かりません。
しかしながら、この法律の縛りを受けない交差点やバス停の名称などには、未だに旧町名が便利に使われています。また全国各地でも、歴史に基づく旧地名を残そうとの動きがあり、結果的に日本三大愚策的な法律だったみたいです。

【日本三大愚策】

  1. 「住居表示に関する法律」に基づく旧町名の廃止
    結局、日本各地では未だ普段の生活の中で、旧地名で呼ぶ習慣は続いており、その方が馴染みが深く分かりやすい
  2. 電源周波数 50/60Hz
    電気が普及し始める明治時代、静岡県の糸魚川付近を境にし、東はドイツ製発電機を導入したため50Hz、西はアメリカ製発電機を導入したため60Hz。最近の電気製品は周波数による影響はほとんどないので問題ありませんが、電力不足の際に日本東西で融通しにくいのはご承知の通り。
  3. 鉄道のゲージ幅
    鉄道導入時に、もし現状より広いゲージを採用していたなら、輸送量や走行速度もだいぶ高められ、朝夕の通勤ラッシュも緩和しているかもしれません。「日本は国土が狭いのだから、狭軌でいい」と言った当時の偉い方がいたとか・・・
ついでに・・・

【日本三大祭り】

  1. 山崎パン祭り
    毎年春になると、フランス製の白いお皿をもらうため、山崎パン以外を買うことがなくなります。
  2. 秋葉原電気祭り
    ご存知、秋葉原の電気街あげての販促キャンペーン。
  3. 東映まんが祭り
    むかし子供の頃、春夏冬のお休みの際に、1本分の入館料でまとめて人気まんがを数本見られるのがとても楽しみでした。残念ながら1989年の夏を持って終了しているようです。
話を元に戻すと・・・
この愚策に気づいた小田原市は、昭和60年度から「歴史的町名保存事業」を実施して、旧町名を調査研究するとともに、この調査結果に基づいて、町名保存碑を市内各所に設置しました。皆さんも市内を歩くと、高さ1m位の町名・地名と解説文が書かれた石碑を見たことがあると思います。

■ Kanatec 小田原2Dプロジェクト

さて、前置きが長くなりましたが、小田原2Dプロジェクトの作業手順は以下の通りです。
  1. 小田原市 | 小田原の町名・地名(1)及び小田原市 | 小田原の町名・地名(2)より、旧町名・地名の一覧を抽出する。
  2. 城下町【小田原城街歩きガイド】及び旧地名|0465.netより、市内の町名保存碑の場所を特定する。場所の特定に当たっては、Google Street Veiwを活用する。
  3. 現地調査を行い、町名保存碑の所在を確認するとともに、写真を撮影する。
  4. Google Map上に、町名保存碑の町名及び解説文をプロットする。
  5. せっかくなので、Google Earthに読み込んだ小田原市 | 小田原城3Dプロジェクトのデータより、小田原総構の輪郭(緑色の線)及び道路(赤色の線)をトレースしてkmzファイルでエクスポートし、これをGoogle Map上にインポートする。
大体こんな感じです。
緑色のマーカで示す現地確認待ちの町名保存碑や、黄色のマーカで示す所在地が特定出来ない町名保存碑がいくつか残っていますが、これは今後順次対応していければと思います。

[現状での課題]

以下の参考WebサイトのNo.1~3に掲載される町名・地名の数が異なるため、全部で何種類あるかよくわかりません。(No.1の小田原市の情報が一番種類が多いので、今回の調査はこれを採用)
また同じ町名・地名の保存碑が複数存在するケースもあり、存在する保存碑の総数が確定出来ず、今回の検討で網羅出来ているのか判断出来ない状況です。
更に、小田原城北西部の山間部や、住宅街の狭い路地の奥にも保存碑が設置されているようで、Google Street Veiwでも現地確認が結構困難な場所も残っています。

[参考Webサイト]

  1. 小田原市 | 小田原の町名・地名(1)
    http://www.city.odawara.kanagawa.jp/municipality/introduction/kyoju/timei.html
  2. 小田原市 | 小田原の町名・地名(2)
    http://www.city.odawara.kanagawa.jp/municipality/introduction/kyoju/timei-copy.html
  3. 城下町【小田原城街歩きガイド】
    http://www.scn-net.ne.jp/~yanya/cyoumei.html
  4. 旧地名|0465.net
    http://www.0465.net/kankou/srch-cat/list.html?cid=184
  5. 小田原市 | 小田原城3Dプロジェクト
    http://www.city.odawara.kanagawa.jp/odawaracastle/

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