2018年7月21日土曜日

2018年04月15日号 3,000円(税抜き)レスポールってどう?


3,000円(税抜き)レスポールってどう?

■ Hard Offへの定期偵察にて

ご近所のHard Offへの定期偵察の際、棚の奥の方に埋もれた3,000円(ジャンク品、税抜き)の黒いレスポールを発掘しました。
ブランドはMaison(メイソン、メゾン?)というもので、さすが新品でもトップクラスの超激安なギターだけあり、ちょっと修理すればまだまだ使えそうな感じのジャンク品が、この値段で買えます。
念入りに点検した結果;
1)マイナスポイント
  1. プライスカードに、「ジャックの接触が悪い」と書かれている
  2. ポットのノブが4つとも付いてない
  3. ゴールドの金属パーツは全てくすんでいる、全体が埃だらけで汚い
2)プラスポイント
  1. 素人が目視で見る限り、ネックは曲がってない感じ
  2. ポットは全てスムーズに回せる(ガリガリ感や引っ掛かりはなさそう)、セレクターも普通に動く
  3. ペグも特段のガタは無い、ボディーやパーツも汚れやくすみ以外に特段のダメージはなさそう
「格安部品ならノブとジャックを交換しても1,500円でおつりが来そう」と、修理の見積もりしながら、購入するかどうか暫く検討していたところ、後から来たおじさんが16万円を超える本物のレスポール(中古)を今にも買いそうな勢いで、試奏を始めました。
16万円のGibsonレスポールの購入を検討しているおじさんのすぐ横で、3,000円のギターの購入を躊躇している自分に恥ずかしくなり、税込み3,240円での購入となりました。

(後日談)

その後暫くして、またHard Offに行ってみたところ、おじさんが今にも買いそうな勢いで試奏していた16万円の本物のGibsonは、まだ残ってました。

■ 自宅にて

1)まずは音出し確認

  1. 全てのポットは結構ガリがあります。接点復活剤でどこ迄復活するか、って感じです。
  2. ジャックは、店頭でのプライスカードの記載通り、全然ダメっぽい感じです。プラグにちょっと触れるだけで、ガーガーすごいノイズです。
  3. 弦アースもうまく聞いてないような感じもします。
とりあえずピックアップは生きていそうなので、何とかなりそうです。

2)それでは、本格的にクリーニング開始

 
 
  1. 金メッキの金属パーツは、すべて表面がザラザラ状態なので、ピックアップ以外は全て外して、金属磨き定番の「ピカール」で磨きます。
  2. ボディーも、プラスチック製品用の研磨つや出し剤で磨き、最後にギター用のワックスで仕上げます。
  3. フレットもピカールで磨き、指板はオレンジオイルで汚れをきれいに落とします。

3)清掃後の組み戻し

 
  1. ピカールで磨いて行くと、だんだん金メッキが薄くなり、銀色に変わって行くのが分かったため、完全に鏡面仕上げレベル迄磨き上げるのは止めました。これでもザラザラした感触はなくなってます。
  2. 新品の弦を張り直します。
  3. 弦高さとオクターブを簡単に調整します。

4)ポットのガリ取り

  1. ボディー裏側のアクセスパネルを明け、全てのポットの接点復活剤をかけ、つまみをグリグリ回して、接点表面の汚れを除去します。(これを数回繰り返し)
  2. 結果、まだ不完全ですが、かなりガリは取れました。このまま使って行けば、自然と接点が磨かれると思います。

5)配線状態の確認

  1. テスターで弦アースの状態を確認したところ、これは問題なさそうです。やはりジャックの接触不良が濃厚です。
  2. 配線の状態も、目視では特にハンダが取れかけたり、断線しかかっている様子はないです。それにしても、内部配線は一切シールドしてないんですね。ポットもこれ迄見たものと比較し、直径が小さいです。この辺が安いギターのコスト削減のポイントのようです。コンデンサーも、緑色(多分マイラーコンデンサー)の安そうなものが付いてました。
  3. ジャックをなおしても、ノイズが気になるようなら、シールド付きのケーブルで配線し直ししたいと思います。

6)部品発注

さすがにポットのノブが付いてないのは不細工なので、ポットの軸がミリ規格であることを確認し、本物のGibsonと同じ感じのノブを、アマゾンで発注しました。(4個セットで1,000円弱)
またジャックも交換しないと先に進めないので、こちらもアマゾンで300円ちょっと発注です。ジャックを交換してみて、その先どうするか考えたいと思います。
もちろん修理にかけられる金額は、もうほとんど残されていませんので、今後出来ることは配線を交換するくらいですね。

7)修理開始

とりあえず、ノブを取り付けてみました。これで見た目はだいぶ体裁よくなって来ました。
ジャックを交換し、再度音出し確認したところ、接触不良によるガーガー音も消え、またポット4つともガリが完全に消えました。さすが接点復活剤、Kanatecのローコスト・中古品ライフには欠かせない、すばらしいケミカル剤です。
きちんと音が出るようになると、次に気になるのが、小汚い配線と、妙に安っぽいトーン回路のキャパシタです。
配線は、ピックアップを外し、ポットも全部取り外さないと作業しにくいので、これは次の機会に回すとして、安っぽい緑色のキャパシタを換えて、今回の第一期の修理は一旦完了とします。
ギターのトーン回路のキャパシタというと、理由はとも書く「オレンジドロップ」ってやつが定番ですよね。でもこれが信じられないくらい高いんですよね。Amazonでも1粒(?)500円近くします。(2個必要なので1,000円弱)
明らかに楽器屋さんがボッタクリ価格を設定していると思い、普通の電子工作用の部品屋さんを当たってみたところ、Les Paul向け定番の0.022uFがほぼ半額の260円(税不含み)で売ってました。(大量に買い占めて転売する奴らがいそうなので、お店の場所は教えません。)
これなら500円ちょっとで2個分買えますので、早速お店迄出かけ、次期改修工事に使う線材と合わせて調達して来ました。
 
左の写真がキャパシタ交換後です。右の写真が元々付いていたキャパシタで、その容量は0.047uFでした。
キャパシタ交換後、音出し確認しましたが、全てのポットとピックアップのセレクタスイッチとも正常、ノイズレベルもOKです。(注:音質がどうなったかは聞かないでください。気持ち的には3,000円のギターとは思えない、十分良い音がとしていると思ってます。)
配線とハンダ付けの汚さに耐えられず、全張り替えしたいところですが、ここはこらえてアクセスパネルを閉じました。(ちなみに、下2つのポットのトーン回路周りはKanatec配線、上2つのポットのボリューム周り配線はオリジナルです。)

8)今後の予定

次に弦を張り替えるタイミングで、ピックアップを外し、配線を全交換したいと思います。それ迄には、ギターが弾けるように練習しておきます。

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