2019年6月15日土曜日

2018年12月28日号 ジャパン・ビンテージ・ギター(?) グレードアップ作業


ジャパン・ビンテージ・ギター(?) グレードアップ作業

■ 追加情報です

SEJモデルの回路図を添付します。修理や改造の際のご参考になれば幸いです。

■ はじめに

今から38年前、大学生になった年に、夏休みに昼の喫茶店と夜のビヤガーデンのバイトでお金を貯め、前橋市内の楽器屋さんで購入したギター、未だに大切に保存&愛用しています。
当時の価格で50,000円で、今の物価と比べても、Kanatec的にはかなり高価な買い物でした。
 
当時、国内のギター関連でのトップブランドのGreco製で、SEJというストラト形状でピックアップのフェーズ切り替えスイッチが付いたJeff Beckモデル(もちろんコピー)です。
 
保証書もまだ残っており、これによると製造元は富士弦楽器製造(現 フジゲン)、ネックプレートに刻印された製造番号から、製造年は購入の1年前の1979年です。
Kanatecの腕前的には、何ら演奏上の問題はない状況ですが、さすがに製造から39年も経過すると、オリジナルのポットもガリっぽくなり、ネットの情報では、当時の日本製のコピーギターは、木工の品質は高いが電装系が弱いとの話もあります。
ということで、以前から懸案であった、ピックアップ、ポット配線などの電装系を一気にアップグレードしたいと思います。
目標は、「ジャパン・ビンテージ、当時のFender Japan風(注1)」とします。
注1:Fender Japanは、1982年に米国の本家Fenderと富士弦楽器製造の合弁で立ち上げられたのが最初。
当時は、日本に限らず世界各国でFenderやGibsonの安価なコピーモデルが流通し、本家Fenderの業績に影響を与えていました。(40年経った今でも、ギターのコピーモデルはいくらでもありますね)
本家Fenderは、高品質なコピーモデルを製造していた日本の富士弦楽器製造に、USモデルより安価なFender Japanシリーズの製造を富士弦楽器製造に委託し、低価格ゾーンのラインナップを持つとことでコピーモデルへの対応とすることにしたそうです。(有力なコピーモデルメーカーを1つ減らす効果も・・・)
ということで、1980年代の富士弦楽器製造のギターは、Fender Japan並みの品質って考えました。

■ 部品調達

ピックアップ:9,500円

これは絶対に譲れないパーツで、Fender製のピックアップとします。ただし予算が限られてますので、一番安いシリーズのものを、Amazonの最安値で調達しました。

ポット:2個で1,400円

経年劣化で、ガリ等の支障の出やすいパーツなので、ちょっと奮発し、CTS製を採用します。
調達先は、アキバの千石電商で1個700円、ストラト用の定番である250KオームのAカーブとしました。
ストラト用のポット購入の際の重要ポイントは軸部分の長さで、ピックガードの薄板に取り付けるので、軸長の短い方を購入する必要があります。(軸長の長い方は、厚みのある木製のボディーに取り付けるレスポール等向けなので注意!)

キャパシター:ストックパーツを使うので0円

元々付いているキャパシターは、緑色のクロレッツ風=マイラーコンデンサーです。アキバで買うと数10円の超安価なものですが、これをギターのトーン回路の定番品であるオレンジドロップに交換します。
こちらは手持ちのストックパーツを使います。

配線材:ストックパーツを使うので0円

こちらも手持ちのストックパーツを使います。

予想外の出費 ノブ:700円

事前の準備の際、ノブをポットの固定しているネジが錆び付いて固着し、全く回る気配がありません。精密ドライバーのマイナスで回すのですが、最後にはドライバーが壊れてしまいました。
幸い2個あるうちの1つは無事だったので、御茶ノ水とアキバを探索し、オリジナルと同じ形状のノブを一個買って来ました。

■ 作業開始

購入当時に付いていた回路図があるので、配線作業には特に心配はありません。一気にバラしに掛かります。
一つだけポイントですが、ストラトのピックアップは、ポール部分が弦により高さが調整してありますが、こちらは新しいFenderのピックアップも、取り付け方向が取説で明確に指示されてますので大丈夫です。
作業自体は、さすがFenderのコピー品だけあり、ピックアップの取り付けも、ネジ穴を少々広げるくらいの調整でOKです。ポットもミリ規格からインチ規格に換えたためか、ピックガード部分を若干リーマーで広げましたが、こちらも簡単な作業でした。
 
 
片方だけ新品交換したノブも、さび具合は別にしてほぼ同じ形状です。ある意味、40年も同じ形状の部品が供給され続けていることに感激します。

■ 音出し確認

配線も、今回購入した部品類も、全く問題無しです。ガリもノイズも一切問題無しです。
なお、Kanatecの場合、音質がどうなったかということは、一切語る気もそのスキルもありませんので、この点は割愛します。

■ 覚書をいくつか

1) 部品の調達方法

イシバシ楽器、パーツ類の取り扱いを止めたそうです。御茶ノ水エリアだけなのか、全店なのか分かりません。イシバシ楽器以外のお店も、パーツ類の品揃えは今ひとつです。唯一品揃えがよかったのがESPでした。
意外だったのは、楽器の街御茶ノ水ではなく、アキバの千石電商(2F)楽器パーツフロアの品揃えはダントツです。通販もやっており、小物(注2)の注文なら「ネコポス」という300円台の送料でOKです。
注2:角形A4サイズ以内、厚さ2.5cm以内、重さ1Kg以内

2) 楽器の調整方法(Fenderの場合)

今回は、ピックアップ高さの標準値を調べてみましたが、それ以外でのFenderギターの調整時の各設定値が掲載されていますので、DIYでギター修理や調整される方にはとても便利です。(英語サイトです)

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